工藤直子「のはらうた」

21 6月 2012
Posted by keikei

 今日は私の好きな、工藤直子さんの「のはらうた」から紹介します。

               「もらいなき」   あじさいみき
         そらが さびしがって なきだすと         
         あじさいも「もらいなき」します
         そらのくもに むかって ただ
         「さびしくないよ」 と いいたいだけなのに
         「わたしがいるよ」 と いいたいだけなのに
         なぜか わたしまで ないちゃいます
         なくたびに はなびらのいろが かわります
         --- そうです
         さびしいいろも うれしいいろも
         みんなわたし
         どうか わたしのぜんぶをみてね
         そして きれいだね と いってね

  

                             「あいさつ」   へびいちのすけ
                          さんぽを しながら 
                          ぼくは しっぽに よびかける
                          「おおい げんきかあ」
                          すると むこうの くさむらから
                          しっぽが ハキハキ へんじをする
                          「げんき ぴんぴん!」
                          ぼくは あんしんして
                          さんぽをつづける

  

                 「あいたくて」   工藤直子
             だれかに あいたくて
             なにかに あいたくて
             生まれてきたーーーーー
             そんな気がするのだけれど

             それが だれなのか なになのか
             あえるのは いつなのかーーーーー
             おつかいの とちゅうで
             迷ってしまった子どもみたい
             とほうに くれている

             それでも 手のなかに
             みえないことづけを
             にぎりしめているような気がするから
             それを手わたさなくちゃ
             だから

             あいたくて